葛飾北斎が描いた御殿場
富岳三十六景『甲州三嶌越』はどこを描いたか?
『甲州三嶌越』とは?
葛飾北斎の浮世絵(版画)「富岳三十六景」に『
「嶌」は「島」であり、甲州(山梨)を越えて三島に至る街道のことである。
▼葛飾北斎・富岳三十六景『甲州三嶌越』
北斎の富岳三十六景に限らないが、風景を描いた浮世絵には、描かれた場所が明確に特定できている絵と、はっきりとはわかならい絵がある。
『甲州三嶌越』は後者で、これまで籠坂峠とする説などがとなえられてきた。
しかし、現地に立ってみればわかるが、籠坂峠からの富士山はこのようには見えない。籠坂峠からは富士山が近すぎて、このように山裾が左右対称に広がった姿には見えず、どちらかと言えば武骨な富士山である。
『甲州三嶌越』に描かれている富士山は、ある程度の距離をおいて遠方から見た富士山である。
そういったことを追っていった結果、「御殿場から見た富士山」である可能性がきわめて高いという結論に至った。
今後検証結果を紹介していく。
(つづく)
【関連ワード】
(ページ公開:2022/03/31)