御殿場之魅力発掘隊

葛飾北斎が描いた御殿場

富岳三十六景『甲州三嶌越』はどこを描いたか?


『甲州三嶌越』とは?

葛飾北斎の浮世絵(版画)「富岳三十六景」に『甲州こうしゅう三嶌越みしまごえ』という1枚がある。
「嶌」は「島」であり、甲州(山梨)を越えて三島に至る街道のことである。

葛飾北斎・富岳三十六景『甲州三嶌越』
葛飾北斎・富岳三十六景『甲州三嶌越』

北斎の富岳三十六景に限らないが、風景を描いた浮世絵には、描かれた場所が明確に特定できている絵と、はっきりとはわかならい絵がある。

『甲州三嶌越』は後者で、これまで籠坂峠とする説などがとなえられてきた。
しかし、現地に立ってみればわかるが、籠坂峠からの富士山はこのようには見えない。籠坂峠からは富士山が近すぎて、このように山裾が左右対称に広がった姿には見えず、どちらかと言えば武骨な富士山である。

『甲州三嶌越』に描かれている富士山は、ある程度の距離をおいて遠方から見た富士山である。

そういったことを追っていった結果、「御殿場から見た富士山」である可能性がきわめて高いという結論に至った。
今後検証結果を紹介していく。

(つづく)

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(ページ公開:2022/03/31)
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